【視察レポート】とちぎアートサポートセンターTAM
社会福祉法人グローは、連携事務局として南東北・北関東ブロックのフォロー業務を行っています。
(今年度は当該ブロックに広域センターが立ち上がらなかったため)
2018年12月5日(水)は栃木県の支援センターの視察にうかがいました。
もうひとつの美術館が運営している「とちぎアートサポートセンターTAM」では、今年度、展覧会の開催にネットワークづくりや研修を絡めたプログラムを組んで実施しています。
2019年1月7日(月)~11日(金)に栃木県庁本館15階展望ロビーで開催する「Viewing2019」に向けて、10月から3回のTAM会議を開催しています。
TAM会議
この日は展覧会前最後のTAM会議で、募集要項や搬入スケジュールが確認され、13名が参加されました。 注目したのは、この展覧会には福祉施設だけではなく個人でも参加できるということです。 今回のTAM会議には3名が個人として参加されていました。 それは特別支援学校に在籍する3人の若い作家の活動を支えるお母さんたちで、「碧い森 under25-アートの育ち方」に出展されていました。 昨年度の「Viewing2018」展(昨年度は栃木県内の公募入選作品展でした)や「TAM」展にも出展しています。 法律に関する研修へは今年度が初めての参加ということですが、昨年度には他の研修(額装)やTAM会議にも参加されていて、それが「碧い森」への出展につながっているとのこと。 作品を面白い、愛おしいと思う気持ちをいろんな人と分かち合える場になっていると感じられました。
展覧会の準備について話し合う会議ですが、ネットワークづくりの場でもあり、 栃木県内の障害のある人のアートに関する活動をしている団体や個人が有機的につながるための意見交換もされていました。 画材共有(うちの施設に余っている画材があるからほしい人いますか?誰かこの画材をくれたり、額を貸したりしてくれるところはありませんか?など)のための ネットワークをつくるためにどのような情報ツールがいいかと話し合われていて、支援センターにそのハブとしての役割が求められているようでした。
研修
弁護士である関哉直人さんの「障害者アートの著作権と権利擁護」と題した午後の講義は、30名以上が聴講しました。 関哉先生は去年からTAMの権利保護研修の講師をされていて、長年障害者関係の事案に関わっておられる方です。 著作権についても支援との関係も含めて考えていくようにしたいと講義の前に話がありました。
著作権について、関連する権利や契約についての基礎講義に加えて、展覧会での展示に了解は必要か?
まねて描いた絵に創作性が認められた場合は?作品の販売にあたり最低限準備することは?など身近なケースについて、対応のアドバイスがありました。
創作性とは、支援員が関わる(支援する)ことは共同著作にあたるのかなどについても考えを述べられ、参加者には普段の支援現場や発表の場を想像しながら具体性をもって伝わっていたようでした。
2019年1月7日(月)~11日(金)に栃木県庁本館15階展望ロビーで開催される「Viewing2019」のチラシはこちらです。お近くの方はぜひご来場ください。
とちぎアートサポートセンターTAMの活動情報はウェブサイトをご覧ください。