著作権、知的財産について学びたい。どうやって勉強したらいい?
わかりやすい本やハンドブックを味方に支援の幅を広げよう
作品の発表や二次利用(グッズ化など)の機会が増えるにつれ、大切になってくるのが著作権をはじめとする知的財産権(知財)のこと。専門的な問い合わせは弁護士などに相談するしかない場合もありますが、基礎知識を知っておけば支援の幅を広げることができます。
近年は特にアートにまつわる権利に焦点を当てた書籍なども増えてきましたので、そういったものから触れてみるといいかもしれません。例えば 「すごいぞ!はたらく知財 14歳からの知的財産入門」(晶文社)、「クリエイターのための権利の本」(ボーンデジタル) の2冊は、具体的な事例も交えつつ、著作権を含むさまざまな権利に関して分かりやすく解説しています。また、各地の支援センターからも「障害のある人の作品にまつわる権利のことハンドブック」(東京アール・ブリュットサポートセンターRights/東京)、「障害のある人の造形活動に関する相談対応参考例」(アール・ブリュットインフォメーション&サポートセンター/滋賀)など、具体的な相談事例を通して権利を学べるハンドブックが出ていますので、ぜひ参考にしてみてください。
また一般財団法人たんぽぽの家/奈良では、障害のある人のアート活動に関わる人たちに向け「知財学習推進プロジェクト」を展開し、「表現をめぐる知的財産権について考える本」「身近な事例から学ぶ、知的財産50のQ&A」といった書籍のほか、カードゲームの教材なども発行しています。大切なのは、知的財産権はアートを守るだけでなく、広めたり、活動を活性化したりするためのものでもあるということ。知財を学ぶことで、障害のある人のアートの新しい展開の方法を見つけられるかもしれません。
(障害とアートの相談室 大井卓也さん)
参考資料
《参考になる刊行物》
『障害のある人の作品にまつわる権利のことハンドブック』 東京アール・ブリュットサポートセンターRights (2020年)
『障害のある人の造形活動に関する相談対応参考例』 アール・ブリュットインフォメーション&サポートセンター (2019年)
《参考になるウェブサイト》