滋賀県での展覧会ボランティアスタッフの運営について
[実施] アール・ブリュット インフォメーション&サポートセンター
[芸術文化分野] 美術
[取組場所] 学校, 福祉施設
[キーワード] ボランティア
取り組みのねらい
調査した作品を発信する場として、地域の観光名所にある施設や大規模な福祉フォーラムと同会場で展覧会を開催するなかで、会場の運営には地域のお年寄りや障害のある方などにボランティアスタッフとしてご協力いただきました。障害者の作品への理解を深めてもらい、それぞれから草の根的な発信をしてもらうことを試みました。
実施内容
2015年度は近江八幡市の観光名所で27日間にわたって開催し、2016年度は全国から約1,500名が参加する福祉フォーラムと同会場で3日間にわたって開催しました。初年度が2,841名、次年度が1,486名と多くの来場者数がありました。2015年度については約1ヶ月と長期開催のため、多くのボランティアスタッフを募集し82名が活動しました。安心して活動ができるように、事前の研修会を3回(会場近くの町歩きと交流会、作者の制作現場見学、事前レクチャー)実施し、会期中には開館準備、受付、会場の監視・来場者の対応、閉館作業を担ってもらいました。1日の流れに沿った活動マニュアルを用意して柔軟性が求められるような対応例を掲載したり、緊急時にアイサ職員に連絡ができるよう携帯電話を用意するなど安心して活動できるサポート体制をつくりました。イベントとして、ボランティアスタッフによるトーク(ギャラリートーク、座談会)を行い、活動を通して感じたことや作品の楽しみ方について語り合える場を設けました。
成果
来場者からはボランティアスタッフと作品について話せて楽しかったという声が聞かれ、ボランティアスタッフから誘われて来場される方々がいたりと市民から発信するという点での成果は大きかったと言えます。また活動終了後のアンケートでは、ボランティアスタッフの97%が満足と回答しており、「障害のある人とそうでない人とを区別することなく見て良いのだと気づかされた」「(発達障害でひきこもりだった方から)自分の生活を見直すきっかけになった。働く前の社会経験として役立った。人との出会いをこれほど楽しいと思えたのは生まれて初めてかもしれない」「この世から障害者とか精神障害者とかの言葉がなくなり、みんな平等になればいいですね」などの感想があがり、障害者への理解が深まり、ボランティアスタッフ自身にとってもやりがいを感じられる場となりました。